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単一割球に由来するヒト胚性幹細胞株

Nature 444, 7118 doi: 10.1038/nature05142

ヒトの胚性幹(hES)細胞の樹立には、現在、子宮外での胚の破壊が必要である。マウスで以前に行われた研究で、着床前遺伝子診断(PGD)で用いられているのと同様な、胚の発生能を阻害しない単一細胞生検を使って、胚性幹(ES)細胞を作製することができる可能性が示されている。1個の割球を一晩成長させることによって得られた複数の細胞は、この操作による臨床的結果への影響なく、遺伝子診断と幹細胞樹立の両方に使用できる可能性がある。本論文では、個別に行われた10回の実験で、hES細胞が単一割球から得られることを示す。この原理証明研究では、顕微操作技術を使って各胚から複数の生検試料が採取され、生検が行われた胚はいずれも培養系で発生させることはなかった。19のES細胞様の増殖物と2株の安定したhES細胞株が得られた。後者のhES細胞株は8か月以上未分化なまま増殖能を維持しており、正常な核型と多分化能のマーカー(Oct-4、SSEA-3、SSEA-4、TRA-1-60、TRA-1-81、nanogおよびアルカリ・ホスファターゼなど)の発現を示した。これらの細胞は、in vitroおよび奇形腫の両方において、3つすべての胚葉に由来する細胞を形成する能力を保持していた。胚を破壊することなく、新しい幹細胞株や治療法を作り出すことができれば、多くの生命倫理に関する問題が解決されるであろうし、また、PGDを受けた胚の移植によって生まれた子どもやきょうだいに適合する組織を作り出すことが可能になる。

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