Letter 物理:フォトンによる単一モード熱伝導 2006年11月9日 Nature 444, 7116 doi: 10.1038/nature05276 単一チャネルの熱コンダクタンスは、1983年に理論的に示されたように、その特有の量子値GQによって制限される。この結果は、一次元バリスティック伝導体においてよく知られた、電気コンダクタンスの量子化に非常に似ている。興味深いことに、すべての粒子は、ボソンかフェルミオンかにかかわらず、固有波長よりも小さい範囲に閉じ込められると、量子化された同じ熱コンダクタンスをもつ。単一モード熱コンダクタンスは、ナノ構造体において特にこの現象と関連している。フォノンによるサブミクロン誘電体ワイヤーを通した量子化された熱輸送は既に観測されており、電磁放射による非常に低い温度における金属中の電子の冷却に影響を与えると予想されている。本論文で我々は、通常の電子熱伝導も電子-フォノン熱伝導も、凍結したとき低温で熱がフォトン放射によって伝わることを示す実験結果について報告する。我々は、通常の熱伝導に対する理想的な絶縁体である超伝導リード線を介してのみ互いに接続された、2個の常伝導金属小片の間の熱交換について研究した。それぞれの超伝導リード線は、DC-SQUID(2つのジョセフソントンネル接合をもつ超伝導ループ)の形をとった電磁(フォトン)放射スイッチによって遮断されている。我々は、フォトンによって媒介される2個の金属アイランド間の熱コンダクタンスが、低温において予想された量子限界GQに実際に近づくことを見いだした。我々の観測結果は、例えば、動作がおおむねデバイスと環境の間の弱い熱的結合に依存する超高感度ボロメーター(遠赤外光検出器)や微小電子冷蔵庫の性能や設計において、実用的な意味をもつ。 Full Text PDF 目次へ戻る