Letter 進化:オーストラリアで出土したデボン紀魚類の珍しい化石は四肢動物の起源の解明に役立つ 2006年11月9日 Nature 444, 7116 doi: 10.1038/nature05243 魚類から四肢動物への移行は脊椎動物の進化における最も劇的な出来事の1つであったが、多くの重要な化石は不完全なものであるため、系統発生の再構築に用いられるデータには空白部分が生じてしまっている。今回我々は、デボン紀の四肢様動物の魚類であるゴゴナスス(Gogonasus)の今まで見つかった中で最も完全な化石を、酸に浸漬処理して得られた新しい観察結果について報告する。これまでゴゴナススの系統分類上の位置づけは、四肢動物系統で最も原始的な分類群にあたるケニクティス(Kenichthys)およびリゾドス類魚類のすぐ上位(現生分類群寄り)であるとされていた。意外なことに、ゴゴナススには、原始的特徴と派生的な四肢動物様の特徴がモザイク状にみられる。脳函と皮骨頭蓋は、系統的に四肢動物に近いと従来考えられている分類群であるユーステノプテロン(Eusthenopteron)やパンデリクティス(Panderichthys)において一般的な形態を示すが、深く陥入した広い呼吸孔の存在や、進化した内部呼吸孔構造、ほぼ水平な舌顎軟骨は、ユーステノプテロンにはない特殊化した特徴である。さらに、ゴゴナススの胸びれ骨格は、最も四肢動物様の魚類であるティクタアリク(Tiktaalik)のものといくつかの特徴が共通している。新たな系統発生解析によって、ゴゴナススはElpistostegalia(エルピストステゲ類)の姉妹群として、ユーステノプテロンの上位に位置づけられた。四肢動物の基本的な四肢骨格や中耳構造のいくつかの側面は今や、四肢様動物類の放散の最中までさかのぼることが可能となった。 Full Text PDF 目次へ戻る