Letter

疫学:英国の口蹄疫発生に対する個別対応式ワクチン接種の最適戦略

Nature 440, 7080 doi: 10.1038/nature04324

英国で発生した口蹄疫(FMD)は、感染症に対する最適の防疫対策を探るまたとない機会となっている。2001年の口蹄疫流行に関する詳細な時空間データが存在することで、いくつかの疫学モデルの開発が可能となった。これらのモデルは、ほかの伝染病にも使えるよう作られた一般的なモデルよりも精度が高く、さまざまな代替防疫措置を探る手がかりとなる。2001年の流行の際にはワクチンは使われなかった。しかし、最近のDEFRA(環境・食糧・農村地域省)の非常事態計画では、個々の患畜発生に応じた個別対応式ワクチン接種(reactive vaccination)を将来的にどう考えるかが詳細に述べられている。今回我々は2001年の流行で得られたデータを用い、複雑で不均質な環境において、ワクチン量と接種態勢が限られている際の最適な使用方法を検討した。口蹄疫拡大のモデルを使って、ワクチン補給・接種などが制約された場合の、ウシへの個別対応式ワクチン輪状接種(ring vaccination)の最適措置を調べた。予測された最適の輪状接種規模は、ワクチン補給の制約に大きく依存するが、疫学的パラメーターにはそれほど左右されない。またこれ以外にも、個別対応式ワクチン接種の別のやり方ならば、流行の規模を大幅に縮小できる。特に、感染が報告される順序を無視して、あらかじめ感染が報告されたどの場所に対しても、そこに最も近い施設でワクチン接種する方法は、流行を相当度縮小できる。この戦略の長所は、新しい感染発生中心にすばやくねらいを定めることができ、輪状接種の最適規模を決める必要がないことである。

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