Letter 考古:ペルー南部における古代のトウモロコシ栽培と地域間交流 2006年3月2日 Nature 440, 7080 doi: 10.1038/nature04294 この10年で、南米低地の考古遺跡で回収・同定された植物微化石への注目が高まり、熱帯林やその他の地域におけるアメリカ先住民の植物栽培化や作物の分散についての知識は大幅に増えた。しかし、アンデス山脈一帯の植物栽培化の年代配列や普及経路は、ジャガイモ(Solanum属種)のように土地固有の重要な主要生産物についても、トウモロコシ(Zea mays)のように外部からこの地域に入ってきたその他の作物についても、まだよく解明されていない。今回我々は、ペルー南部高地のワイヌナ遺跡にある後期先土器時代の家(14C測定年代で今から3,431±45〜3,745±65年前、もしくは較正年代で今から約3,600〜4,000年前)から見つかった植物の微化石の解析結果を報告する。我々の得た結果から、アンデス南部におけるトウモロコシの記録はこれまでより少なくとも1,000年さかのぼり、現地でトウモロコシを粉にしていたことも明らかとなった。また、この結果は、植物性食品がヒトの手で意図的に熱帯林から高地へと流動したことを直接示す証拠となり、この地域における古代の植物利用と移住を解明するうえで植物微化石の解析が威力を発揮することを実証している。 Full Text PDF 目次へ戻る