Letter

視覚:対象への視覚短期記憶を支える分離可能な神経機構

Nature 440, 7080 doi: 10.1038/nature04262

行動を導くために視覚情報を用いるには、視覚短期記憶(VSTM)として知られる一時的バッファーへの貯蔵が必要で、VSTMにはサッケード(急速眼球運動)などの視覚妨害全般にわたる注意対象に関する情報が保持される。VSTMの容量に一定数の限界があるか、それともそれは可変かという議論が最近増えている。本論文では、機能的磁気共鳴画像法を用いて4つの実験を行い、頭頂葉皮質と後頭葉皮質の表現能力を分離することにより、この論争を解決したので報告する。頭頂間溝(IPS)の下部での表現は、対象の複雑さに関係なく、異なる空間位置にある約4個の対象に決まっていたのに対し、IPSの上部と外側後頭葉の複合領域での表現は、VSTMに保持された対象の数を追って変化し、対象の複雑さが増すと4個より少なくなることもあった。これらの神経反応パターンは、VSTMの符号化の際にも保持の際にも観察された。したがって、複数のシステムが共にVSTMを支えて働いており、下部IPSが異なる空間位置にある一定数の対象へ向けた空間的注意を保持する一方、上部IPSと外側後頭葉の複合領域は、その複雑さ次第で数が変わる注意対象サブセットについて符号化と保持を行うものと考えられる。つまり、VSTMの容量は、対象の一定の数と対象の複雑さの両方によって決められている。

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