Letter 進化:頭索動物ではなく被嚢動物が脊椎動物に最も近縁な現生分類群である 2006年2月23日 Nature 439, 7079 doi: 10.1038/nature04336 被嚢動物(尾索動物ともいう。尾虫類、サルパ類、ホヤ類を含む)、頭索動物(ナメクジウオ類)、脊椎動物(ヤツメウナギ類やメクラウナギ類を含む)は、脊索動物を構成する3つの現生分類群である。伝統的な見方では、頭索動物が脊椎動物に最も近縁な現生分類群であり、被嚢動物は脊索動物の中で最も古い系統だとされている。この見方を正当化する主な理由は、頭索動物と脊椎動物が形態全般で類似していることや、両者が被嚢動物に比べて外見がより複雑であることである。3者の類縁関係は脊椎動物の起源解明に極めて重要であるにもかかわらず、脊索動物の類縁関係を調べる系統発生研究からは確定的な結果が得られていない。尾虫類のワカレオタマボヤ(Oikopleura dioica)のゲノム塩基配列解読を機に、我々は14の新口動物と、外群としてほかの24の低速進化種から得た146の核内遺伝子からなる系統発生データセット(整列処理した33,800のアミノ酸)を組み立てた。そして本論文では、このデータセットの系統発生解析からは、頭索動物ではなく被嚢動物が脊椎動物に最も近縁な現生分類群であることを示す強力な証拠が得られることを明らかにする。脊索動物が単系統かどうかはまだ確定できない。頭索動物は、統計的に有意の裏づけは得られないものの、意外なことに棘皮動物と同じ分類群に入るからで、この問題はさらなるデータで検証する必要がある。この新しい系統発生スキームは、形態学と古生物学の両データの再評価を促すものであり、被嚢動物と頭索動物をモデル動物にした発生・ゲノム研究の解釈に重要な意味合いをもつ。 Full Text PDF 目次へ戻る