Letter 脳:メンフクロウの注視調節回路による聴覚空間マップのトップダウン的ゲイン調節 2006年1月19日 Nature 439, 7074 doi: 10.1038/nature04411 注視の方向を調節する脳の高位回路は、視覚の空間的注意の調節と密接に連動している。動物が刺激源に向かって注視を向ける直前に、その視覚刺激に対する精神物理学感度と、刺激を表現する大脳皮質高次ニューロンの反応性とは、ともに劇的に増大する。また、これと等価な行動上の感度と視覚刺激に対するニューロン応答性への効果が、サルの注視調節中枢を局所的に微小電気刺激することで得られる。しかし、注視の調節システムが、このとき視覚以外の感覚モダリティのニューロンの反応性をも変化させているかどうかはわかっていない。本論文では、メンフクロウ前脳の注視調節回路に微小電気刺激を与えると、中脳の聴覚応答のゲインが、注意と似た方式で制御されることを示す。前脳の回路を活性化すると、その前脳部位がコードしている空間位置に対する聴覚応答が増強され、空間選択性も鋭くなった。同じ刺激は、中脳マップ上で他の空間位置に相当する聴覚刺激への応答を抑制した。メンフクロウで見られる注視調節回路によるこのような空間特異的でトップダウン的な聴覚応答制御から、中枢神経系は感覚のゲインを動的に制御する上で、モダリティや脳の領域や脊椎動物の綱を超えて当てはまる共通の戦略を用いていることが示唆される。このアプローチは、中枢神経系におけるトップダウン的ゲイン調節の基盤にある機構解明への道筋を提供するものである。 Full Text PDF 目次へ戻る