Letter

生理:恒暗は哺乳類の概日代謝シグナルである

Nature 439, 7074 doi: 10.1038/nature04368

環境の明るさは概日行動の「ツァイトゲーバー」(外因的な同調因子)である。恒暗は概日周期の「自由継続」状態と考えられており、哺乳類は冬眠中に恒暗を経験する。主時計の同調因子である視交叉上核を除去すると、冬眠に似た休眠状態が起こらなくなることから、この現象には概日時計が関係しているらしい。本論文では、恒暗がマウスの脂肪分解酵素遺伝子の発現を調節する機構について報告する。マウス・プロコリパーゼ(mClps)と膵リパーゼ関連タンパク質2(mPlrp2)の遺伝子は、12時間暗期:12時間暗期(DD)では末梢器官で概日性の活性化が見られるが、明暗(LD)サイクルでは活性化されない。概日リズムを欠くmPer1-/-/mPer2m/mマウスでは、この制御機構が働かない。我々は、概日性制御を受ける5'-AMPがこの反応の鍵となるメディエーターであると同定した。この5'-AMPはDDマウスの血中で濃度が上昇する。LDマウスでも、合成5'-AMPが休眠を引き起こし、mClpsの発現を促した。DDマウスでは、代謝ストレスによって起こる休眠と5'-AMPの上昇とに関連が見られた。グルコースと非エステル化脂肪酸の血中濃度は、DDマウスとLDマウスでは逆転した。LDマウスでの5'-AMPによるmClps発現の誘導は、血中のグルコース濃度と相反的に関連していた。今回の知見は、哺乳類の代謝の概日リズムを明らかにするものである。

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