Letter 進化:デボン紀魚類に見られる四肢動物様の中耳構造 2006年1月19日 Nature 439, 7074 doi: 10.1038/nature04196 複雑な形態転換の初期段階を示す化石はほとんど見つかっていない。例えば、オステオレピス類魚類の鰓孔(spiracular tract)や懸垂骨(下顎骨を吊り下げる骨構造)から四肢動物の中耳への構造転換の最初期段階は、はっきりつかめていない。既知のもので最も原始的な四肢動物では、ユーステノプテロン(Eusthenopteron)などのオステオレピス類とは大きく異なる中耳構造が見られるが、この転換がどのように起こったかを示す情報はほとんど得られていない。今回我々は、四肢動物にごく近縁の姉妹群であるパンデリクティス(Panderichthys)の詳細研究に基づいて、四肢動物の中耳の起源を解析した。そして、パンデリクティスの鰓孔領域はオステオレピス類から大きく形態変化しており、四肢動物の中耳構造発祥の最初期段階に当たることを示す。パンデリクティスの口蓋方形軟骨後方は完全に四肢動物様であり、鰓孔の範囲も同じくらい四肢動物様となっている。その舌顎軟骨は遠位部分を失っており、従来知られていなかった「あぶみ骨」様形態への進化が見られる。この鰓孔の特殊化は、初期四肢動物の中耳が、最初に鰓孔型呼吸装置の一部として進化したことを物語っている。 Full Text PDF 目次へ戻る