Article 生理:病原性細菌が線虫の嗅覚嫌悪学習を誘導 2005年11月10日 Nature 438, 7065 doi: 10.1038/nature04216 食物は時に有害となりうる。汚染された食物を摂取した後に、中毒や細菌感染が起こることがあるからである。食物の質についての学習は生存を促進するために、嗅覚学習で最も強固なものの1つが内臓の不調と結びついた味の条件回避である。線虫(Caenorhabditis elegans)は細菌を餌とするが、自然環境中の病原性細菌による感染を受けやすい。今回我々は、線虫の嗅覚の嗜好が病原性細菌に出会った後では変化して、病原性細菌からの匂いを避け、病原性のない既知の細菌の匂いに誘引されやすくなることを明らかにする。特定の細菌が嗅覚嗜好に特異的な変化を引き起こすことから、連合学習が示唆される。病原性細菌への曝露によって、ADF化学受容性ニューロンのセロトニンが、転写や転写後の調節機構の働きにより増加する。セロトニンは、感覚性介在ニューロンで発現しているセロトニン依存性塩素イオンチャネルMOD-1を介して機能し、嫌悪学習を促進する。セロトニンの増加が、病原性細菌の感染における負の強化刺激なのかもしれない。 Full Text PDF 目次へ戻る