Letter 生化学:プロリンのcis-trans異性化による神経伝達物質依存イオンチャネルの開口 2005年11月10日 Nature 438, 7065 doi: 10.1038/nature04130 5-ヒドロキシトリプタミン3型(5-HT3)受容体は、Cysループ受容体スーパーファミリーに属する。これらのタンパク質に神経伝達物質が結合すると、未知のコンホメーション変化によってイオンチャネルの開口(ゲート開閉)が引き起こされる。今回我々は、2番目と3番目の膜貫通へリックスの間のループ(M2-M3ループ)の頂点にある特定のプロリン(Pro 8*)が、タンパク質骨格の cis-trans異性化を通じて結合とゲート開閉を結びつけうることを示す。非天然アミノ酸変異誘発を用いて、cis配座の取りやすさが異なる一連のプロリン類似体を8*位に組み込んだ。trans配座を取る傾向が非常に強いプロリン類似体を組み込むと、機能しないチャネルができた。機能する変異体の間では、プロリン類似体にそれぞれ固有のcis-transエネルギーギャップとチャネルの活性化の間に強い相関が見られ、この1個のプロリンのcis-trans異性化がチャネルの開状態と閉状態を切り替えるスイッチの働きをすることが示唆された。M2-M3ループペプチドの核磁気共鳴研究で、構造が明らかに異なる2つの形態が明らかになったことは、この考え方と一致する。したがって、我々の結果は、5-HT3受容体におけるM2-M3ループの構造とPro 8*の重要な役割を確定するものである。また、Pro 8*位での分子転位は受容体開口の構造的機構であると考えられる。 Full Text PDF 目次へ戻る