Letter 発生:JNKシグナル伝達によるPolycombグループタンパク質の抑制はショウジョウバエ成虫原基における決定転換を誘導する 2005年11月10日 Nature 438, 7065 doi: 10.1038/nature04120 ショウジョウバエ(Drosophila)成虫原基の再生中に、決定転換と呼ばれる現象により細胞運命が切り替わることがある。脚から翅への決定転換では、Winglessのようなモルフォゲンが関与しており、これが正常な閾値を越えて活性化すると、翅特異的なセレクター遺伝子であるvestigialの異所的な発現が誘導される。Polycombグループ(PcG)タンパク質群は、ホメオティック遺伝子や他の発生制御因子の発現パターンを調節することによって、細胞運命を維持している。本研究では、決定転換がPcGの制御と結びついていることを報告する。PcG変異体のハエでは決定転換の頻度の上昇が見られた。また、PcGの抑制下にあるサイレントなレポーター遺伝子の再活性化を指標にして調べたところ、決定転換した細胞でPcG機能の低下が観察された。この抑制は、再生中の細胞で活性化されるJunアミノ末端キナーゼ(JNK)シグナル伝達経路によって直接制御されている。これに応じて、決定転換の頻度はJNK変異体で低下する。この制御的相互作用は哺乳類の細胞でも起こることから、細胞運命の再編におけるこのシグナル伝達カスケードの役割は、進化的に保存されていると思われる。 Full Text PDF 目次へ戻る