Article

生化学:NMDA受容体におけるサブユニットの配置と機能

Nature 438, 7065 doi: 10.1038/nature04089

NMDA(N-メチル-D-アスパラギン酸)受容体が媒介する興奮性神経伝達は、哺乳動物の中枢神経系の生理の基礎をなす。これらの受容体はヘテロマーのイオンチャネルで、活性化するにはグリシンがNR1サブユニットに、グルタミン酸がNR2サブユニットに結合する必要がある。NMDA受容体の機能の特徴はチャネル開口と非活性化が遅いことで、開口によって起こるカチオン流入によって、学習や記憶といった高次機能に不可欠のシグナル伝達カスケード反応が開始される。今回我々は、グルタミン酸の結合したNR2Aのリガンド結合コアと、グルタミン酸およびグリシンが結合したNR1-NR2Aヘテロダイマーのリガンド結合コアの結晶構造を報告する。NR2A-グルタミン酸複合体の構造から、グルタミン酸とNMDAの認識の決定要因が明らかになった。また、NR1- NR2Aヘテロダイマーの構造からは、リガンド誘起イオンチャネル開口の機構が示唆された。ヘテロダイマー界面の解析および生化学と電気生理学の実験から、NR1-NR2Aヘテロダイマーは4量体NMDA受容体における機能単位であり、サブユニット界面にあるNR1のチロシン535がチャネル非活性化の速度を調節していることが確かめられた。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度