Letter 生化学:大腸菌RNアーゼE触媒ドメインの構造とRNAの代謝回転へのかかわり 2005年10月20日 Nature 437, 7062 doi: 10.1038/nature04084 遺伝子発現の協調的な調節は、すべての生物においてホメオスタシス、増殖および発生に必要である。このような協調は、部分的にはメッセンジャーRNAの安定性というレベルで行える可能性があるが、それは転写産物の一部を選択的に破壊することで、代謝経路の相互的な調節が可能となり得るからである。大腸菌では、転写産物群の均衡および組成はRNアーゼEの影響を受ける。RNアーゼEは、RNAの代謝回転を行うだけでなく、特定の重要なRNA前駆体のプロセシングにも必須のエンドリボヌクレアーゼである。RNアーゼEはRNA分子内部の結合を切断するが、その触媒反応を行うかどうかを決定するのは基質の5'末端であり、たとえ切断部位から離れている場合であってもそれは変わらない。今回我々は、基質であるRNAとアロステリックな反応中間体を形成した形のRNアーゼE触媒ドメインの結晶構造について報告する。RNアーゼE触媒ドメインの4つのサブユニットは会合し、絡み合って四次構造を作っており、このことから触媒活性にサブユニットの組み立てが必須である理由が説明される。また、活性部位を包み込むサブドメインは構造的にデオキシリボヌクレアーゼと一致しており、RNアーゼとDNアーゼの進化上の歴史における予想外のつながりを示している。この構造は、基質の5'末端を認識することで触媒作用が開始される機構を説明するばかりでなく、RNアーゼEが特定のRNA前駆体を破壊せずに、選択的にプロセシングを行う機構を解明する手がかりとなろう。 Full Text PDF 目次へ戻る