Letter

植物:光化学系IIの反応中心のリン酸化および光合成的馴化には2種類のタンパク質キナーゼが必要である

Nature 437, 7062 doi: 10.1038/nature04016

照射光が変化すると、チラコイドタンパク質の修飾と光合成装置の再構成が起きる。このとき、短期的には、光化学系II(PSII)と集光性クロロフィルタンパク質複合体II(LHCII)がリン酸化される。PSIIのリン酸化はPSIIの代謝回転に関係していると考えられるが、LHCIIのリン酸化の方はLHCIIの再配置および光化学系間の励起エネルギー再分配(ステート遷移)と結びついている。長期的には、光化学系間のエネルギー分布の不均衡は光化学系の化学量論的関係を調整することによって打ち消される。ステート遷移には、緑藻のChlamydomonasではSTT7、植物であるArabidopsisではSTN7というオーソロガスなプロテインキナーゼが必要である。本論文では、ArabidopsisはPSII反応中心タンパク質の定量的リン酸化に、STN8というもう1つ別のプロテインキナーゼを必要とすることを示す。ただし、stn8変異体では強光下でのPSII活性がごくわずかしか影響を受けておらず、D1の代謝回転も野生型のそれとほぼ変わりがなかったことから、タンパク質の可逆的リン酸化はPSIIの修復に不可欠ではないと考えられる。また、照射光の質の変化に対する馴化はstn7変異体では起こらないが、stn8では起こることは、短期的および長期的な光合成装置の馴化が共役的に働いていることを示している。したがって、LHCII、またはSTN7の未知の基質のリン酸化は、光合成関連遺伝子の発現制御にも重要である。

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