Article 代謝:CREBコアクチベーターであるTORC2は空腹時グルコース代謝の重要な調節因子である 2005年10月20日 Nature 437, 7062 doi: 10.1038/nature03967 グルコース恒常性は、全身性にはインスリンやグルカゴンなどのホルモンによって、細胞レベルではエネルギー状態によって調節されている。グルカゴンは、サイクリックAMP誘導因子であるCREB (CRE結合タンパク質)を介してグルコース新生にかかわる遺伝子の転写を促進することにより、空腹時に肝からのグルコース放出を増加させる。しかし、細胞内ATPレベルが低いときには、エネルギー感受性キナーゼであるAMPKが肝の糖新生を阻害するが、その機構は不明である。今回我々は、ホルモンおよびエネルギー感受性経路は、コアクチベーターであるTORC2 (transducer of regulated CREB activity 2)に収束してグルコース放出を調節していることを示す。TORC2は摂食条件下では細胞質内に隔離されているが、空腹刺激を受けると脱リン酸化され核内に輸送されてCREB依存的な転写を促進する。逆に、AMPKを活性化するような刺激はTORC2のリン酸化を促進し、その核での集積を阻害することで、糖新生プログラムを減弱させる。2型糖尿病を有する患者は、しばしば糖新生増加が原因の空腹時高血糖を呈するが、こうした場合にはTORC2のリン酸化を増強する化合物が治療的に有益であると考えられる。 Full Text PDF 目次へ戻る