Letter 宇宙：バン・アレン放射帯での電磁波による電子の加速 2005年9月8日 Nature 437, 7056 doi: 10.1038/nature03939 バン・アレン放射帯は、地球を取り巻く2つの領域からなっており、そこでは高エネルギー荷電粒子が地球磁場の内側に捉えられている。バン・アレン放射帯の特性は太陽活動によって変化し、人工衛星や宇宙空間にある人間に危険をもたらす。これらの放射帯内の荷電粒子が、どのようにして数百万電子ボルトの非常に高いエネルギーへ加速されるかを説明することは重要な問題である。本論文では、外側の放射帯が一端消えた後に地球のより近くで再形成されたという稀な現象の分析をもとに、放射拡散による加速という長い間支持されてきた定説が不適切であり、電子は数キロヘルツの振動数の電磁波によって、より効率的に加速されることを示す。電磁波による加速は、観測を行った1〜2日間という時間スケールにわたって電子フラックスを3桁以上増加することができ、これは放射帯の新たな形成を説明するのに十分な量を超える。電磁波による加速は、木星や土星などの磁場を持つ他の天体にとって重要かもしれない。 Full Text PDF 目次へ戻る
