Letter 宇宙:巨大天体衝突の際に海洋が原始惑星上に存在すると大気の大規模散逸が起こる 2005年2月24日 Nature 433, 7028 doi: 10.1038/nature03360 金星と地球の大気組成は著しく異なっており、金星大気は地球大気のおよそ50倍の36Arを含んでいる。大気組成におけるこの違いの一部を説明するために、地球と金星を形成する物質に及ぼす太陽風の異なる影響が提案されたが、組成の違いの原因は現在も完全には解明されていない。本論文で我々は、巨大天体衝突の段階で原始惑星の表面に海洋が存在したか否かが、その後の大気の量と組成を決定した可能性があることを提案する。我々は数値シミュレーションを用いて、海洋の蒸発と地面に比べて低い海洋の衝撃インピーダンスという2つの影響によって、海洋の存在が巨大天体衝突の間に、大気散逸を著しく強めることを示した。地球の軌道付近の原始惑星には海洋が存在していたが、金星の軌道付近の原始惑星には存在していなかったと考えられており、したがって希ガスを豊富に含む原始大気が金星上では残存したが、地球上では残存しなかったことが示唆される。我々の提案したメカニズムは、金星と地球におけるアルゴン、クリプトンおよびゼノンの大気中の含有量の違いを説明するが、観測されるネオンとアルゴンの比率に示されるように、ネオンのほとんどはその後、両惑星大気から散逸してしまったに違いない。 Full Text PDF 目次へ戻る