Letter 生体情報:複雑な代謝ネットワークを機能面から地図的に表示する 2005年2月24日 Nature 433, 7028 doi: 10.1038/nature03288 ハイスループット技術のおかげで生物学データベースの規模は爆発的に拡大しており、生命現象や疾患の理解の変革につながるような足がかりができつつある。しかし、これらのデータの解釈は依然として重大な科学的課題の1つである。今回我々は、複雑なネットワークに含まれる情報の抽出と表示を可能にする1つの方法体系を提案する。具体的には、複雑なネットワークに内在する機能的モジュールを見つけ出して、モジュール内およびモジュール間の連結パターンによってノード(節点)を普遍的役割ごとに分類できることを実証する。つまりこの方法によって、複雑なネットワークの「地図的表示」(cartographic representation)が得られる。代謝ネットワークは最も解明の難しい生物ネットワークの1つであり、迅速な応用が大いに期待されていることはほぼ間違いない。今回この方法を使って、生物界を分ける3つの上界から12種の生物を選んで代謝ネットワークを解析した。そして、ノードは一般的に80%が各自のモジュール内部の他のノードにのみ連結されていること、また、異なる役割をもつノードは異なる進化上の制約や圧力の作用を受けていることを見いだした。特に目を引くのは、関与する反応の数はごく少数でも異なるモジュール同士をつなぐような代謝産物は、連結先がほとんど単一モジュール内におさまるようなハブ(ネットワーク中枢)に比べて、進化の過程で保存される率が高いことだ。 Full Text PDF 目次へ戻る