Letter 細胞:EGL-1が誘発する線虫の細胞死におけるDRP-1を介したミトコンドリアの断片化 2005年2月17日 Nature 433, 7027 doi: 10.1038/nature03316 線虫の遺伝的解析は、線虫から哺乳類まで広く保存されている細胞死の中心的機構を解明する助けとなってきた。生物間でのちがいとして浮上してきたのが、ミトコンドリアの役割である。哺乳類ではミトコンドリアは、シトクロムcの放出によってカスパーゼの活性化にかかわっている。しかし線虫では、これまでミトコンドリアがカスパーゼの活性化に関与することを示す証拠はなかった。今回我々は、線虫の発生の間に本来ならばプログラム細胞死を遂げる細胞では、ミトコンドリアが断片化することを明らかにした。ミトコンドリアの断片化はBH3-onlyタンパク質EGL-1によって誘導され、bcl-2類似遺伝子ced-9の変異によって阻害されるので、アポトーシスを起こす細胞でのミトコンドリアの断片化の調節には、Bcl-2ファミリーに属するタンパク質が働いていると示唆される。ミトコンドリアの断片化はCED-4/Apaf-1やCED-3/カスパーゼには依存せず、それらの活性化よりも前または同時に起こると考えられる。また、線虫の発生中に起こるミトコンドリアの断片化とプログラム細胞死の誘導には、ミトコンドリアの分裂装置の重要な成分であるDRP-1/ダイナミン類似タンパク質が必要であり、またこれだけで十分であった。これらの結果は、線虫の細胞死経路でもミトコンドリアが重要な役割を果たしていることをはっきり示している。 Full Text PDF 目次へ戻る