Letter 地球:温暖氷河における水流の主要な通路としての割れ目 2005年2月10日 Nature 433, 7026 doi: 10.1038/nature03296 氷河本体の中を通る水の流れの理解は、水の空間分布と氷河の底への浸透速度が、貯水と圧力、氷河の滑りと急進、および氷河から噴出する洪水を支配する一因となることから重要である。これまでは、このような水は管状の水路からなるネットワーク中を流れていると一般に考えられていた。本論文では、スウェーデンの小さい氷河(Storglaciären)で掘削した48本の掘削孔から得られたビデオ画像を解析し、氷河の水文系は水をゆっくりした速度で運ぶ割れ目が支配的であることを示す。氷河の底近傍を含むすべての深さで、水力学的につながった割れ目が見つかった。この観測結果は、表面の水を氷河深部へと運ぶ主な通路は割れ目からできており、管状の水路はおそらく特別な状況でのみ形成されることを示している。水力学的につながった割れ目のネットワークは、氷河中の水流系の起源と進化、およびその季節的な再生を簡単に説明できる。このような割れ目のネットワークは、レーダー観測で管状の水路ではなく複雑な反射のパターンが得られることも説明できる。今回の発見は、氷棚の大崩壊や、氷床の表面と底との間の急激に起こる水力学的な連絡を理解するために重要と思われる。 Full Text PDF 目次へ戻る