Letter 生態:大気中CO2濃度の急激な上昇はモデル植物−土壌系における群集反応の過剰評価につながる 2005年2月10日 Nature 433, 7026 doi: 10.1038/nature03268 大気中CO2濃度([CO2])の上昇の生態学的影響を理解しようとする際には通常、今日の生態系を予測される将来の[CO2]レベルに暴露させる。しかしながら、[CO2]を1段階で上昇させた場合と、数十年間かけてこれと同じ濃度になるまで漸増させた場合でCO2上昇に暴露された生態系の反応は同じであるという、方法論上の主要な仮定はこれまで検証されていなかった。今回、この仮定を菌根菌群集を対象に6年間にわたって検証した。[CO2]は、他の多くの[CO2]実験と同様に急激に上昇させるか、または21世代以上にわたって緩やかに上昇させた。その結果、[CO2]の上昇に対する群集の構造上および機能上の反応は異なっていた。一部の菌根菌は、急激な[CO2]上昇による炭素パルスに感受性を示した。この結果、菌種の豊富さの速やかな減少と、菌根機能の有意な変化がみられた。[CO2]を徐々に増加させた際には、菌の多様性および機能性の変化の規模は小さく、大気中CO2濃度を一定に保ったままの場合とで有意の差は認められなかった。以上の結果は、[CO2]の急激な上昇の結果として生じる生態系の変化に生物相が感受性を示す可能性があるために、[CO2]上昇に対する一部の群集の反応が過剰評価される恐れがあることを示唆している。 Full Text PDF 目次へ戻る