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生化学:線虫Caenorhabditis elegansのdauer幼虫誘導フェロモンの化学構造と生物学的活性

Nature 433, 7025 doi: 10.1038/nature03201

フェロモンは、同じ動物種の個体間の情報伝達に用いられる細胞型特異的なシグナルである。線虫Caenorhabditis elegansは、過密状態や飢餓状態におかれると、daumoneと呼ばれるフェロモンを分泌する。daumoneは、有害な環境刺激に適応するための個体間の情報伝達を促進する。daumoneの指令を受けた線虫はdauer幼虫段階に入る。これは線虫の生活環において永続的で非老化性の段階であり、独特の適応特性と寿命延長を特徴とする。daumoneは発生および老化における化学感受性過程の主要調節因子であるため、その化学的性質を明らかにすることは、daumoneが関与するシグナル伝達経路の特性を解明する上で重要である。今回、線虫から天然のdaumoneを大規模精製法で単離し、併せてその化学的全合成を行った。本論文では、精製daumoneの立体特異的な化学構造を示し、それが脂肪酸誘導体であることを報告する。また、天然のdaumone と化学的に合成したものがいずれも、野生型線虫(N2株)と一部のdauer変異体のdauer幼虫化を同様に誘導し、また餌とdaumoneの間での競争を引き起こすこともわかった。これらの結果は、daumoneが仲介するシグナル伝達経路の解明に役立つはずであり、ひいては老化や肥満の研究、そして抗線虫薬の開発を後押しすることにもつながるだろう。

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