Letter 気候:温室効果ガスの濃度上昇に対する気候応答の予測における不確定性 2005年1月27日 Nature 433, 7024 doi: 10.1038/nature03301 気候変化の緩和や適応のための対応策を策定する際には、将来起こり得る気候進化の範囲を考慮する必要がある。そのためには、数十年規模の再現実験をアンサンブルで行い、カオス的な気候変動とモデル応答の不確定性の両方を評価する必要がある。近年の気候変化の観測に基づいてモデル応答の不確定性を統計的に評価すると、大気中の二酸化炭素濃度の倍増に対する全球平均気温の平衡応答として定義される気候感度は5 Kを十分に超える。しかし、そのような強い応答は大気大循環モデルではこれまで現れていないことから、将来の気候変化の範囲を評価する際には用いられていない。本論文では、「climate prediction.net」実験の結果を報告する。これは大気大循環モデルを用いているために、地域ごとの気候変化の詳細を明確に解き明かすことができる数千ものシミュレーションから構成された最初の大規模なアンサンブル実験である。その結果、他の最先端の気候モデルと同じ程度に現実的であるが、気候感度が2 K未満から11 Kを超える場合まで幅があるモデルバージョンが見出された。温室効果ガスの濃度上昇に対して起こり得る、気候システムのあらゆる範囲の応答を調べたり、濃度を安定化させる特定の要因に関連したリスクを評価したりするためには、このようなかけ離れた感度をもったモデルは非常に重要である。 Full Text PDF 目次へ戻る