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生理:細胞性粘菌タマホコリカビDictyostelium細胞集団における長距離にわたる自己組織化のための自己調節回路

Nature 433, 7023 doi: 10.1038/nature03228

栄養欠乏状態におかれたタマホコリカビのアメーバは、走化性によって集合して多細胞構造を形成し、細胞から細胞へと伝わるサイクリックAMPの波に向かうように移動する。組織化の中心は創始細胞によって形成されるのではなく、均一な細胞集団中で自立的に生じた外向きのらせん波の中心からなる動的な集団が組織化の中心となる。らせん波は、化学反応においてだけでなく、生物系の反応でも普遍的に観察される。近年、空間的に広がった化学反応におけるらせん波のフィードバック制御が実証されているが、生物系における制御がどのようになされているか、その機構はわかっていない。本論文では、サイクリックAMP/プロテインキナーゼA経路の突然変異体は周期的なシグナル伝達を行うが、らせん波の中心が多数出現するために、長い距離にわたるコヒーレントならせん波領域を形成できないことを明らかにする。理論モデルから、プロテインキナーゼAがかかわる細胞の興奮性の自己調節が、シグナル伝達中心の数を最適化することが示唆される。

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