Letter

生態:生物多様性の中立説の野外パラメーター抽出と実験的検証

Nature 433, 7023 doi: 10.1038/nature03211

生態学者は、多数種からなる生物群集全体で見られる種−面積関係や数度−頻度関係などの一般的パターンを、構成種すべての動態を支える誕生や死、移住といった基本過程の見地から説明したいと考えている。これらの基本的な個体群過程に基づく生物多様性の統一中立説とそれに関連する諸説は、一般的な種−数度パターンをうまく再現でき、しかも生態理論で長年注目されてきた種内や個体レベルの多様性も、捕食や撹乱などの資源放出過程も説明せずにすむ。もし種内や種間相互作用に見られる多様性を算定せずに生態群集を適正に記述できれば、生態群集の組織化や、生物多様性が減少し環境が変化した場合に予測される結果についての理解は大きく変わるだろう。今回私はこの中立説を検証するため、基盤となる個体群動態の野外パラメーター抽出と野外実験とを組み合わせた強力な手法を導入し、岩場潮間帯の群集に適用した。この系で見られる数度−頻度分布は中立説の予測に従うが、中立説では野外実験の結果を十分に予測できず、このことから種間相互作用に多様性が重要な役割を果たしているとみられる。

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