Article

神経:神経終末でのPtdIns(4,5)P2合成が妨げられるとシナプス小胞の輸送に欠陥が生じる

Nature 431, 7007 doi: 10.1038/nature02896

ホスファチジルイノシトール-4,5-ビスリン酸(PtdIns(4,5)P2)は、第二メッセンジャーの前駆体として、また細胞質タンパク質や膜タンパク質との直接的な相互作用により、細胞の調節機能に重要な役割を果たしている。生化学的研究から、クラスリン被覆の動態にはPtdIns(4,5)P2が関与することや、シナプスにおけるPtdIns(4,5)P2の脱リン酸化に異常があると、被覆のあるエンドサイトーシス中間体が蓄積することがわかっている。しかし、シナプス小胞のエキソサイトーシスへのPtdIns(4,5)P2の関与については不明である。今回我々は、脳のPtdIns(4,5)P2レベルの低下と神経終末におけるPtdIns(4,5)P2の脱分極依存性合成の阻害が、出生直後の死亡やシナプスの異常に結びつくことをマウスで明らかにした。シナプスでの異常には、微少電流発生の減少、シナプス抑制の強化、放出可能な小胞プールの縮小、エンドサイトーシスの遅れ、小胞回収の速度低下などが含まれる。今回の結果によって、シナプス小胞サイクルのさまざまな段階の調節にPtdIns(4,5)P2が重要な役割を果たしていることが実証された。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度