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神経:海馬内単位回路における活動頻度依存的な抑制から興奮への切り替え

Nature 431, 7007 doi: 10.1038/nature02854

記憶や認識に不可欠な脳構造である海馬は、古典的には3シナプス性の興奮性回路として表されている。しかし、最近の知見、とくに3シナプス経路の2番目のシナプスであるCA3への苔状繊維入力に関する知見から、この見解には疑義が向けられている。CA3錐体細胞上への強力な苔状繊維入力は、シナプス興奮と抑制の両者を起こす可能性がある。今回、ラットの嗅内皮質と海馬を含む切片培養で、結合している細胞ペアから記録をとることによって、歯状回顆粒細胞の単発の活動電位が、CA3錐体細胞に総和として抑制性の信号を引き起こすことを見出した。この過分極は、単シナプス性の興奮を覆い隠してしまう2シナプス性のフィードフォワード抑制によるものである。興味深いことに、この総和としての抑制シナプス応答は、シナプス前活動電位の頻度が増すと、興奮性信号へと変化する。この変換の原因となる機構は、単シナプス性興奮性伝達の促通と抑制性回路の急速な抑圧が合わさったものである。シナプス反応の極性をすばやく切り替えるこの能力は、連合性海馬神経ネットワークにおける状態依存的な情報処理に必須である可能性のある新たなシナプス機構といえよう。

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