Letter 植物科学:フラジェリン感知を介するシロイヌナズナの細菌病耐性 2004年4月15日 Nature 428, 6984 doi: 10.1038/nature02485 植物および動物は、侵入微生物をフラジェリンなどの病原体関連分子パターン(PAMP)を検出することで認識する。しかし、耐病性に関するフラジェリン感知の重要性は未だ明らかになっていない。本論文では、フラジェリンのエリシター活性を示すエピトープであるペプチドflg22で植物を処理すると、野生株では数多くの防御関連遺伝子の発現が誘導され、病原菌に対する耐性が生じるのに対し、フラジェリン受容体遺伝子FLS2に変異を生じた株ではこのような反応がみられないことを報告する。この誘導型耐性は、サリチル酸、ジャスモン酸、エチレンによるシグナル伝達には依存しないらしい。細菌粗抽出物による処理では、野生株もfls2変異株も、エリシター活性を示すフラジェリンを欠く場合でも強い耐性を示すので、フラジェリン以外のPAMPを感知する機能を持つ機構が存在することが示される。fls2変異株は、葉内に細菌を侵入させた場合の罹病性は野生株と同程度だが、病原体であるPseudomonas syringae pv. tomato DC3000を葉の表面に吹きつけた場合はずっと罹病性が高くなる。したがって、フラジェリンの感知は細菌の侵入をおそらく初期段階で抑えており、また植物の耐病性にも寄与していると考えられる。 Full Text PDF 目次へ戻る