Letter

気候:32億年前の大気中二酸化炭素濃度の下限

Nature 428, 6984 doi: 10.1038/nature02471

初期の地球において大気中の酸素、表面温度、生命の条件がどのように進化したのかを理解するためには、始生代の大気中に存在する温室効果ガスの定量化が重要である。たとえば、その時代の温室効果ガスとして考えられる二酸化炭素とメタンの間のバランスのわずかな変化が、有機物のもやの生成とそれによる地球の冷却を含むフィードバックサイクルを左右しうることが主張されてきた。太陽光強度が弱い時期に地表面温度を凍結温度以上に維持するのに寄与している温室効果ガスとして、気候モデルは二酸化炭素に的を絞ってきた。しかしながら、27.5億年前の古土壌、つまり地質学上の記録に保存された土壌サンプルの分析によって、大気中の二酸化炭素濃度の上限値が最近与えられた。その値は地球表面を凍結させないためにほとんどのモデルにおいて必要とされている値よりもずっと低い。この発見によって、気候モデルを満足させるもうひとつのガスとしてメタンが注目されるようになった。今回我々は、32億年前の川砂利の風化皮膜にモデル平衡反応を用い、通常の粘土鉱物に比べて鉄に富んだ炭酸塩が存在するためには、二酸化炭素の最小分圧は現在の値よりも数倍高くなければならないことを示す。実際の二酸化炭素濃度がこの値よりも著しく大きくなかったかぎり、地表面温度を凍結温度以上に維持するには、他の温室効果ガスの働きが必要だったであろうと気候モデルからは予測される。

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