Letter

材料:窒化ケイ素セラミックスにおけるサブナノメートルサイズの希土類元素偏析の観察

Nature 428, 6984 doi: 10.1038/nature02410

窒化ケイ素(Si3N4)セラミックスは、優れた機械的特性を持つため数多くの用途に使用されている。Si3N4セラミックスの本質的に脆い性質は重大な問題ではあるが、ウィスカーのような微細構造体を導入することによって克服可能である。しかしそのような異方性粒子の形成は、焼結助剤として使用されるカチオンの種類の影響を非常に受けやすい。ドーパント効果は高性能Si3N4セラミックス設計の中核であるが、その効果の起源の解明は長年求められてきた。今回我々は、収差補正Zコントラスト走査型透過電子顕微鏡法を用いて、一般的に結晶粒界で見られるナノメートルスケールの粒界アモルファス膜の内部に存在するドーパント原子(La)の直接画像を示す。La原子が優先的にアモルファス/結晶界面に偏析することがはっきり示された。また第一原理計算によって、Laが結晶表面に対して強い選択性を持つことが確認された。この選択性は、細長い粒子および高靭性微細構造体の形成に不可欠である。セラミックスの機械的特性を向上させるために、現在マイクロメートルスケールの構造設計方式が利用されているのに対し、本研究は次世代セラミックスに必要な原子レベルの構造工学への第一歩となるものである。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度