Letter 医学:感染性のタンパク質におけるコンフォメーションの差異がプリオン株の種類を決定する 2004年3月18日 Nature 428, 6980 doi: 10.1038/nature02392 プリオンの注目すべき生物学的特徴の1つは、まったく同一のタンパク質でできているように見えるプリオン粒子から表現型の異なる伝達性が生じることである。この株の存在とプリオン伝達の「タンパク質だけによる複製」仮説とを両立させるには、1つのタンパク質が誤った折りたたみ方をされて複数の異なった形となり、その1つ1つが異なった株に相当すると考えればよいとされてきた。株の表現型とプリオン粒子のコンフォメーションとの関連性を見出した研究はいくつかあるが、コンフォメーションの相異が異なるプリオン株を作り出す原因なのか、それともプリオン株の違いから単に派生したものかは未だにわかっていない。それは精製したプリオンタンパク質から感染性粒子をつくるのが難しいためである。本論文では、組換えSup35断片からなるアミロイド(Sup-NM)を使って酵母に[PSI+]プリオンを効率よく感染させる方法を報告する。熱安定性と電子常磁性共鳴法を使って、異なった温度で形成したSup-NMアミロイドは異なったコンフォメーションをとり、それが安定的に伝播されることを明らかにした。このコンフォメーションの異なるアミロイドを酵母に感染させると、異なった[PSI+]株が得られた。これらの結果から、Sup-NMは細胞に入る前に感染性をもつコンフォメーションをとっていることが確認された。これはプリオン仮説の重要な推定を満たしており、また感染性タンパク質のコンフォメーションの違いが、プリオン株の相異を決定することを直接実証するものである。 Full Text PDF 目次へ戻る