Letter

医学:酵母のプリオン株3種のタンパク質だけによる伝達

Nature 428, 6980 doi: 10.1038/nature02391

異なるプリオン株の伝播がまったく同一のタンパク質によって起こるのはどうしてか、また本当にタンパク質だけによって伝播が起こるのかどうかは、プリオン分子の性質をめぐる重大な問題である。今回我々は、酵母モデルのプリオン株のタンパク質だけに依存する性質を明らかにした。酵母のプリオン様因子[PSI]は、Saccharomyces cerevisiaeのナンセンス変異の読み過ごしを促進する遺伝因子である。異なったプリオン株をもつ酵母から、緑色蛍光タンパク質で標識したSup35プリオン決定アミノ末端断片を含む感染性繊維凝集物を単離した。この感染性繊維凝集物を「種」にして、細菌で発現させた標識プリオンタンパク質を用いて、in vitroで長い繊維を生成させた。感染していない酵母に切断した繊維を導入すると、株特異的な[PSI]伝染力が新たに発生することが明らかになった。in vitroで生成させた長い繊維の横断面の形態を電子顕微鏡で観察すると、酵母由来の短い「種」と区別がつかない。長い繊維の電子線回折では、アミロイドのクロス-β構造に特徴的な4.7Åのスペーシングが見られた。in vitroで「種」から作られたアミロイド繊維が酵母由来の「種」の株特異的感染性を伝播するということは、異なるプリオン株がもつ遺伝的な情報が、まったく同じプリオンタンパク質の自己増殖性のクロス-β構造という異なった折りたたみパターンにコードされている可能性を示している。

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