生物系ではたらく触媒のほとんどはタンパク質でできているが、基本的な生化学反応を触媒する天然のリボザイムが、これまでに8グループ発見されている。現代の生物でリボザイムが重要な機能を果たしていることは、生命がタンパク質やDNAの出現前に「RNAワールド」を経てきたとする説を裏付けている。今回我々は、グラム陽性菌のglmS遺伝子のメッセンジャーRNAを切断する、リボザイムの新しいグループを同定した。このリボザイムを活性化するのはグルコサミン-6-リン酸(GlcN6P)で、これはGlmS酵素の代謝産物である。さらに他のデータからも、このリボザイムが代謝産物応答性の遺伝子スイッチとして働いて、GlcN6P濃度の上昇に応じてglmS遺伝子を抑制することが示唆される。これらの知見は、原始的な生物でリボザイムスイッチが代謝産物のセンサーとして働いてきた可能性を明らかにしており、現代の生物にも、このような古代の遺伝子制御機構の一部が残っていることを示している。 N & V263