Letter

医学:腫瘍抑制タンパク質の候補であるING4は脳腫瘍の増殖および血管新生を調節する

Nature 428, 6980 doi: 10.1038/nature02329

神経膠腫は中枢神経系の最もよく見られる原発性腫瘍で、米国では年間約1万5,000人が神経膠芽腫と診断されており、診断から一年以内の死亡率は80%にせまる。神経膠芽腫では著しい血管新生の誘導がみられることから、悪性化に血管形成が必要であることが示唆される。しかし、脳腫瘍の増殖と血管新生の調節の基礎となる分子機構の詳細は不明である。本論文では、腫瘍抑制遺伝子の候補であるING4が、脳腫瘍の増殖と血管新生の調節に関与していることを報告する。ING4の発現は、ヒトの正常脳組織と比較して神経膠腫で有意に減少しており、その減少の程度は、軽度から高度への腫瘍の進行と相関している。ING4の発現が減少しているヒト神経膠芽腫U87MGをマウスに移植したところ、この腫瘍は対照群の腫瘍と比較して増殖が有意に速く、血管体積分率も高い。我々は、ING4が核因子NF-κBのp65(RelA)サブユニットと物理的に結合すること、またING4が、NF-κB応答性遺伝子の転写抑制を介して脳腫瘍の血管新生を調節することを示す。以上の結果は、ING4が脳腫瘍の病因に重要な役割を果たすことを示唆するものである。

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