Letter 細胞:平滑筋の遺伝子発現制御ではミオカルディン(myocardin)とTCF(ternary complex factor)がSRFをめぐって競合する 2004年3月11日 Nature 428, 6979 doi: 10.1038/nature02382 平滑筋細胞は、細胞外からの合図に応答して、分化型あるいは増殖型と表現型の切り換えを行うが、このように表現型を可変なものとしている転写機構はまだ解明されていない。血清応答因子(SRF)は、平滑筋の分化にかかわる遺伝子と増殖にかかわる遺伝子を、それぞれ転写コアクチベーターであるミオカルディンとETSドメインファミリーのTCFなどの筋肉限局性の補助因子を動員することによって活性化する。今回我々は、成長シグナルが、筋発生抑制因子として働くTCFの1つであるElk-1によるSRFからのミオカルディンの解離を誘発することによって平滑筋遺伝子を抑制することを明らかにする。平滑筋遺伝子の発現に対するミオカルディンとElk-1の相反する作用は、構造的に類似したSRF結合モチーフが、SRF上にある共通の結合部位をめぐって競合することによる。ミオカルディンとSRFに対する応答性は保持するもののTCFは結合できない平滑筋プロモーター変異体は、胚の心臓において異所的に転写を誘導することから、in vivoでの平滑筋遺伝子の発現抑制にTCFが役割を果たしていることがわかる。成長シグナルと発生シグナルは、SRFと拮抗しあう補助因子との結合を調節することによって、平滑筋遺伝子の発現を調節しているとの結論を得た。 Full Text PDF 目次へ戻る