Letter 進化:女性の生殖期後の寿命が長いことによる適応上の利益 2004年3月11日 Nature 428, 6979 doi: 10.1038/nature02367 多くの動物は死ぬまで繁殖を続けるが、ヒトの場合、女性は生殖期を終えた後も長く生きられる。理論的には、女性の生殖期後の長い寿命は、自ら子を産み続けることよりも、自分の子の繁殖成功度を高めることの方が適応度が大きくなるときに見られるようになる可能性がある。高齢になると繁殖成功度が低下することは知られているが、生殖期後の寿命が伸びることによって女性の適応度が増すか否かは不明である。今回、多世代を対象とした詳細な人口統計学的記録を用いて、現代以前におけるフィンランド人とカナダ人の両集団で、生殖期後の寿命が長い女性は孫の数がより多く、したがって、適応度が高いことを示す。このような適応上の利益が生じるのは、生殖期を過ぎた母親が、自分の子がより早期に、より高頻度に、より高い成功度で繁殖できるようにすることによって、子の生涯繁殖成功度を高めるためである。また、長い寿命による適応上の利益は、子の繁殖力が低下するにつれて小さくなる。この結果は、女性では、老化を先延ばしにする選択は、子が生殖期を終える頃には弱まるはずであることを示唆しており、これと呼応する結果として我々は、女性の死亡率は子が生殖期を終える時期により高まることを示す。 Full Text PDF 目次へ戻る