Letter 海洋:カリブ海と北大西洋の熱塩循環における塩分変動の関連 2004年3月11日 Nature 428, 6979 doi: 10.1038/nature02346 北大西洋における熱塩循環の強さの変動は、北大西洋深層水の形成と北向きの海洋熱フラックスの振動によって最後の氷期サイクルに生じた急速な気候変動と結びつけられてきた。熱塩循環の強さは高温高塩水の北大西洋への供給に依存している。高温高塩水は熱を大気へ放出して高密度の水塊を造り出し、この水塊は深層へ沈降し、南へ引き返すという循環を行う。本論文では、Mg/Ca比による古温度測定を有孔虫方解石中の酸素同位体の測定値と結びつけることによって、カリブ海堆積物の2つの柱状サンプルを分析し、最後の氷期サイクルにおける熱帯大西洋の表層塩分を再構築した。カリブ海の塩分が、酸素同位体から推定された寒冷な2、4、6期の塩分濃度の高い状態と温暖な3、5期の塩分濃度の低い状態の間を振動し、北大西洋深層水の形成の強さと共に変動していたことが見出された。Bølling/Allerød温暖期の初期に、カリブ海の表層塩分が突然低下したが、これは塩分濃度の高い熱帯水の北大西洋への流入が熱塩循環を強め、高緯度地方の温暖化に寄与したことを示唆している。 Full Text PDF 目次へ戻る