Letter

物理:単一原子の共振器冷却

Nature 428, 6978 doi: 10.1038/nature02387

原子をレーザー冷却する従来の方法はすべて光ポンピングを繰り返して行い、原子による光子の自然放出を利用している。ランダムな方向への自然放出が、原子からエントロピーを取り除くのに必要な散逸機構になる。しかし、高フィネス共振器と強く結合した単一原子に対して、別の新しい冷却方法が提案されている。自然放出の代わりに共振器からの光子の漏れを使う。このような冷却スキームを適用すれば、量子情報処理を行う原子‐共振器系の性能を改善できるであろう。さらに、共振器冷却は自然放出を使っていないため、従来の方法ではレーザー冷却不可能な系に適用できる。例えば、閉じた遷移を持たない分子、さらにはランダムな反跳で壊されてしまうボース凝縮体中の集団励起などである。本論文では、共振器内の双極子トラップに蓄積した単一ルビジウム原子の共振器冷却を実証した。この冷却機構によって長い蓄積時間が得られ、原子の局在が改善される。観測した冷却速度は、同程度の原子励起の場合に自由空間冷却法で発生する速度より少なくとも5倍高いと評価される。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度