Article

遺伝子工学:嗅神経細胞由来のクローンマウス

Nature 428, 6978 doi: 10.1038/nature02375

マウスを含めたさまざまな哺乳類で、核移植によるクローン動物の作成が成功を収めてきた。しかしこれまでのところマウスにおいて、神経細胞のように細胞分裂を停止した細胞からクローン動物が作出された例はない。今回我々は、細胞分裂を停止した細胞である嗅神経細胞の核を卵母細胞に移植することによって、繁殖力を持ったクローンマウスを作出した。このことは、細胞分裂を停止して分化の最終段階に到達した神経細胞のゲノムも、核移植の後では再び細胞周期に入り分化全能性を持った状態に再プログラム化できることを示す。また、クローンマウスにおける嗅覚受容体遺伝子の発現パターンおよびその構成は野生型と見分けが付かなかった。これは、嗅神経細胞における嗅覚受容体遺伝子選択の際に、DNAに不可逆的な変化が起こらないことを示唆している。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度