Letter 医学:細胞質内封入体構成成分TRIM5αは旧世界ザルにおいてHIV-1の感染を制限する 2004年2月26日 Nature 427, 6977 doi: 10.1038/nature02343 免疫不全ウイルス複製の初期相に対する宿主細胞の障壁は、ヒトとヒト以外の霊長類種との間におけるこのウイルスの現在の分布を説明する根拠となっている。ヒトにおける後天性免疫不全症候群(AIDS)の原因であるヒト免疫不全ウイルス1型(HIV-1)は、旧世界ザルの細胞に効率よく侵入するが、逆転写の前に障壁に遭遇する。この種特異的な制限は、侵入してくるHIV-1のキャプシドに作用し、優性的な抑制因子によって媒介される。本論文では、細胞質内封入体構成成分であるTRIM5αをその抑制因子として同定する。HIV-1の感染は、ヒトTRIM5αよりもアカゲザルのTRIM5αによって、より効率よく制限される。旧世界ザルに自然感染するサル免疫不全ウイルスは、HIV-1に比べてTRIM5αが媒介する抑制に対して感受性が低く、この感受性の違いはウイルスキャプシドに起因する。サルの細胞におけるHIV-1感染に対する初期の抑制は、TRIM5α発現への干渉によって軽減される。我々の研究は、HIV-1に対する細胞の自然抵抗性にかかわる種特異的メディエーターとしてTRIM5αを同定し、またレトロウイルスキャプシドの脱外被を調節する宿主の細胞構成成分を明らかにしている。 Full Text PDF 目次へ戻る