Letter 微生物学:新たに単離された嫌気性微生物による鉄の腐食 2004年2月26日 Nature 427, 6977 doi: 10.1038/nature02321 鉄の腐食は深刻な経済的問題である。好気性の腐食は化学的な過程であるが、一方嫌気性の腐食は硫酸還元菌(SRB)の活性と関連づけられることが多い。鉄に対するSRBの作用は主に、腐食性物質として産生された硫化水素によるか、また水と接触して鉄の表面に形成された「カソード水素」の消費によると考えられている。SRBのなかでは、水素を効率的に消費可能なDesulfovibrio種が嫌気性腐食の主な原因と見なされることが多い。しかし、この基礎となる機構は複雑で、十分解明されているとはいえない。本論文では、唯一の電子供与体として金属鉄を用いた単離法で得られた、新しい海洋性の腐食性SRBについて報告する。特にDesulfobacteriumに似た分離株は、水素除去能をもつ既知のDesulfovibrio種と比較して、金属鉄で硫酸塩をかなり速く還元した。この結果は、新しい表面付着菌が、遊離の水素を介するというより、金属鉄から直接電子を受け取ることを示唆する。同様に、新たに単離されたメタン細菌Methanobacteriumに似た古細菌は、鉄を利用して、既知の水素消費型メタン細菌より速くメタンを生成した。この結果もまた、水素の消費を介するのではなく、鉄の電子に直接作用することを示唆している。 Full Text PDF 目次へ戻る