Letter

細胞:心臓Na+/Ca2+交換輸送体の多重輸送モード

Nature 427, 6974 doi: 10.1038/nature02271

心臓のNa+/Ca2+交換輸送体(NCX1)は、双方向性のCa2+輸送体であり、心臓の電気活動に関与している。Ca2+の流出あるいは流入がいつ起こるか、そしてそれが起こるかどうかはNa+/Ca2+の交換比によって決まる。Ca2+の出入りの平衡実験から交換比は3:1(Na+:Ca2+)であるとされているが、交換電流の逆転電位からは4:1に近い比率となっている。本論文では、イオン選択性電極法を用いてジャイアントパッチにおけるイオンの出入りを定量化し、最大輸送での交換比は両方向共に約3.2であることを明らかにする。膜の内外にNa+とCa2+が存在する場合は、正味電流およびCa2+の出入りは膜電位の違いにより逆転し、内向き電流は細胞質内のCa2+がない場合でも発生するが、Na+なしでは発生しない。NCX1は1Ca2+または3Na+イオンを輸送しうるだけでなく、低率ながらも1Ca2+と1Na+イオンを一緒に輸送しうることを我々は示唆する。したがって、主要な3:1の輸送モードに加えて、1Ca2+と1Na+を一緒に取り込むことが、1Ca2+を排出するNa+伝導モードおよび3Na+を排出する電気的に中性なCa2+流入モードの説明となる。この2つの補助的な輸送モードが、心臓における静止時の遊離Ca2+と背景の内向き電流を決定しうる可能性がある。成均館大学医学系大学院(韓国)、およびテキサス大学サウスウェスタン医療センター(米)

目次へ戻る

プライバシーマーク制度