Letter 医学:ビタミンKエポキシド還元酵素遺伝子の同定 2004年2月5日 Nature 427, 6974 doi: 10.1038/nature02254 ビタミンKエポキシド還元酵素(VKOR)は、血栓塞栓症の治療にもっとも広く処方されている抗凝血薬ワルファリンの標的である。ワルファリンは、20の発作防止例に対して出血誘発1例を見ると推定されているが、用量調節が難しいことや出血の懸念から充分に活用されているとはいえない。VKORは1974年に同定されたが、精製や遺伝子の同定はまだ行われていない。ワルファリン耐性のラット1番染色体上でのマッピング、およびビタミンK依存性タンパク質欠亡症のヒト16番染色体上の相同領域に対するマッピングが行われたことで、遺伝子のポジショナルクローニングが可能になった。VKOR遺伝子の位置はヒト16番染色体p12-q21領域内の190の遺伝子に限定され、候補となる膜貫通タンパク質をコードする13個の遺伝子に絞り込まれた。我々は、個々の遺伝子に対する低分子干渉RNA(siRNA)プールを使って、ヒト細胞におけるVKOR活性阻害能力を調べた。今回、単一のsiRNAプールが特異的にVKOR活性を阻害したことに基づき、VKOR遺伝子を同定したことを報告する。また、MGC11276メッセンジャーRNAがVKORをコードしていることを、昆虫細胞内での発現およびワルファリン感受性により確認した。発現した酵素は、163個のアミノ酸残基からなり、少なくとも1箇所の膜貫通ドメインを持つ。VKOR遺伝子の同定は、血液凝固反応の解明を進め、新しい抗凝固剤の開発に役立つであろう。ノースカロライナ大学チャペルヒル校(米) Full Text PDF 目次へ戻る