Letter

地球化学:海洋堆積物中における化石由来の有機炭素の再埋設

Nature 427, 6972 doi: 10.1038/nature02299

海洋堆積物は有機炭素の最終貯蔵場所として機能しており、通常は速やかに循環する炭素を地質学的時間スケールで隔離している。堆積性有機炭素の埋設は、in situにおける酸素との接触時間によって調節されていると考えられており、多くの研究は有機炭素の貯蔵機構の解明に主眼がおかれている。このため、燃焼で生じた黒色炭素は、土壌および堆積物中に優先的に貯蔵される可能性のある難分解性の有機炭素として注目されている。しかし、環境が果たす役割、また黒色炭素の輸送および分布についてはほとんどわかっていない。今回、産業革命以前の海洋および陸上の堆積物から採取した黒鉛性黒色炭素試料を対象に同位体解析を行ったところ、この試料が陸上に由来するものであり、放射性炭素をほぼ完全に含まないことがわかった。この結果は、この黒鉛が燃焼生成物ではなく、岩石の風化によって生じた炭素であることを示唆している。したがって、化石由来の黒鉛性黒色炭素が堆積物中に広く存在することは、燃焼由来の黒色炭素の海洋堆積物中への埋設を、かなり過大評価することにつながると考えられる。また今回の結果は、堆積性有機炭素を対象とする放射性炭素を指標とした年代測定法の結果に偏りが生じる恐れがあることを示しており、また同時に、炭素循環に閉じたループが存在することを示している。このような循環性炭素は、その酸化されやすさに依存して、生物が介在する炭素循環から、長期の地質学的周期にわたって隔離されている可能性がある。ワシントン大学(米、シアトル)

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