Letter 免疫:胸腺および末梢リンパ器官からのリンパ球移出はS1P受容体1に依存する 2004年1月22日 Nature 427, 6972 doi: 10.1038/nature02284 適応免疫は、胸腺からのT細胞の移出、および抗原探査のための二次リンパ器官間のTとB細胞の移動に依存している。リンパ器官内での活性化の後、T細胞は感染部位にたどり着くために再び循環中に戻らなければならない。しかし、リンパ器官からの移出を調節している機構は知られていない。免疫抑制剤であるFTY720はリンパ器官からのリンパ球の移出を阻害し、リン酸化FTY720は、既知の5つのスフィンゴシン-1-リン酸(S1P)受容体のうちの4つに結合し、活性化する。しかし、通常の免疫細胞の輸送におけるS1P受容体の役割については不明である。本論文で我々は、S1P受容体のひとつ(S1P1、Edg1とも呼ばれる)を欠いた造血系細胞を持つマウスでは、成熟T細胞が胸腺から出ることができないために末梢中にT細胞が無いことを示す。B細胞は末梢リンパ器官に存在するものの、血液中やリンパ液中ではその数が著しく不足している。養子細胞移入実験により、リンパ器官からの移出にはTおよびB細胞の内因的なS1P1が必要であることが立証されている。さらにS1P1依存的な走化反応性は、胸腺から出る以前のT細胞発生において強く亢進する。ところが、末梢リンパ球の活性化の際にはS1P1は発現低下がみられ、これはリンパ器官での滞留と関連している。我々は、FTY720処置がS1P1の発現を低下させ、リンパ球に一過性の薬理学的S1P1欠損状態を作り出すことを発見した。これはFTY720誘導性のリンパ球隔絶機構の説明となる。これらの知見は、S1P1がリンパ球の再循環に不可欠であり、またそれが胸腺および末梢リンパ器官からのリンパ球移出を調節していることを証明するものである。カリフォルニア大学サンフランシスコ校(米) Full Text PDF 目次へ戻る