Letter 物理:量子ホール効果における局在化の微視的な性質 2004年1月22日 Nature 427, 6972 doi: 10.1038/nature02230 量子ホール効果は、2次元に閉込められた電子が垂直磁場を受けているとき、その局在化した状態と広がった状態との間の相互作用から起こる。この量子ホール効果では、粒子の局在化のためにすべての電子輸送特性が厳密に量子化される。量子ホール効果の標準的な理論では、強磁場による局在化に、一定の無秩序ポテンシャルの等高線に沿った1粒子ドリフト運動が伴う。量子ホール相間の転移領域に広がった状態をプローブする輸送実験によって、量子ホール相転移の理論とこの理論が予言する現象の検証が行われている。強く無秩序化した試料に関するいくつかの実験では1粒子描像の妥当性が確かめられているが、また別の実験や最近の理論では、予言されていた普遍的な挙動からのずれが見出されている。本研究では、走査型単一電子トランジスタを使って各局在状態をプローブし、この状態が1粒子理論の予言とは著しく異なることを見出した。この状態は主にクーロン相互作用に支配され、運動エネルギーの量子化が電子の遮蔽特性を制限するときにのみ出現する。結論として、この量子ホール効果は1粒子理論が予言する結果よりもっと多くの領域と相転移を見せるといえる。この実験結果を基に、1粒子模型が強い無秩序性の極限でのみ成立する統一した局在描像を提案した。ワイツマン科学研究所(イスラエル) Full Text PDF 目次へ戻る