Letter 動物:ニワトリの福祉は飼育密度よりも飼育環境状態に左右される 2004年1月22日 Nature 427, 6972 doi: 10.1038/nature02226 ブロイラー(採肉用若鶏)は大規模な集中飼育により現在、英国で年間8億羽以上、世界全体では年間200億羽以上が生産されているが、その福祉の劣悪さには非難の声が上がっている。欧州連合(EU)は、福祉を大きく損なうと考えられる過密飼育を解消すべく、ブロイラーの飼育基準として「飼育密度」(単位面積あたりの鶏重量)の上限を設定しようと現在前向きに検討中である。だが、この基準で本当に養鶏の福祉が改善できるかどうかは証拠に食い違いがあるため確定できていない。今回我々は大手のブロイラー生産業者10件に協力をあおいで、生産販売を続行できる範囲内のさまざまな条件下で飼育密度を実験操作するという前例のない大規模調査(270万羽)を行い、欧州連合の案に関してブロイラーの福祉を調べて報告する。生産業者には5種類の最終密度になるようニワトリを飼育してもらったが、他の点については各業者の従来の飼育法を踏襲してもらい、我々は各業者の鶏舎の状態に加えて、温度や湿度、敷料や空気の質を記録した。そして、死亡率、生理状態、行動および健康状態について足の健康状態や歩行能力を重視しながら福祉の程度を評価した。得られた結果から、福祉に対する影響は飼育密度そのものよりも養鶏業者間の飼育環境の違いのほうが大きいことがわかる。オックスフォード大学(英) Full Text PDF 目次へ戻る