Letter 認知:睡眠が洞察をもたらす 2004年1月22日 Nature 427, 6972 doi: 10.1038/nature02223 洞察は一種の心的再構築であり、事態が突然明白に見通され把握できるようになり行動の質的変化が起こることを意味する。科学的発見にまつわる逸話から、大発見につながる洞察は睡眠のおかげで得られることが示唆されている。睡眠によって最近の記憶が整理され、それに付随して記憶内容の表象的な構造が変化することにより洞察が得られる可能性がある。今回我々は、洞察を得る過程において睡眠が促進的な役割を果たすことを示す。被験者には連続する刺激−反応の学習が必要とされる認知課題を遂行させた。この課題遂行で、被験者は課題を複数組こなすうちに反応速度を高めて成績をしだいに向上させた。しかし一方、被験者が課題の刺激−反応の連続すべての裏に隠された理論的ルールについて洞察を得た場合には、急に成績が向上した。最初に課題の表象を形成するための訓練が済んだあと、被験者を夜間の睡眠か、夜間の覚醒、昼間の覚醒いずれかで8時間過ごさせた。続いて再び課題をさせたところ、睡眠のあとで隠れたルールを見つけ出した被験者の数は、昼夜いずれかの覚醒の場合の2倍以上となった。最初の訓練がないと、睡眠で洞察が促進されることはなかった。睡眠をはさんで反応時間の遅れが見られることから、睡眠に関係する洞察の特徴的な萌芽状態が明らかにされた。我々は、睡眠が新しい記憶の表象を再構築することにより事態の把握を導き洞察に満ちた行動を促進させると考える。リューベック大学(独) Full Text PDF 目次へ戻る